熱伝導

 

熱伝導

熱伝導とは、高温のモノから低温のモノへと熱が移動することです。

例えば、電気コンロでヤカンの水を沸かす場合、熱い電気コンロの熱がヤカンに伝わり、ヤカンの熱が水に伝わることで、お湯を沸かすことができます。

ちょうど水面に石を投げ込んだ時に波紋が出来るように、次々に熱が伝わっていきます。

熱伝導は、温度差がある場合にはどこでも発生している自然現象です。

住宅では、窓ガラス部で外気温と室内の温度の熱移動が特に激しく起こっており、光熱費用に大きく係っています。

エアコン等でせっかく冷やした室内の空気も、 窓から多くの冷気が外に逃げてしまい、室内温度の温度上昇すなわちエアコンの稼働率を上げる要因となっております。

熱伝導

 

夏場の場合:

外の高温空気窓ガラス室内の冷やした空気の順で伝わって室内を常に温め続けているために、冷房が欠かせなくなります。

room-heat-conduction

冬場の場合:

中の高温空気窓ガラス屋外の冷えた空気の順で伝わって室内熱が常に外に逃げているため、暖房が欠かせなくなります。

冬場の場合

 

熱伝導率

熱伝導率(ねつでんどうりつ、Thermal conductivity)とは、熱伝導度ともいい、熱伝導において、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で割った物理量。その逆数を熱抵抗率(ねつていこうりつ)という。

熱流束密度J、温度をT、温度勾配を gradTとすると、熱伝導率λとの関係は次のように表される。

 \mathbf{J} \,= - \lambda \ {\rm grad}\  T

熱伝導率のSI単位はW/(m・K)であり、W/(cm・K)も使われる。

熱伝導率は媒質中により温度勾配がある場合にその勾配に沿って運ばれる熱流束の大きさを規定する量であり,熱拡散率は温度勾配により運ばれる温度(熱エネルギー)の拡散係数を意味する。ここで,熱拡散係数と熱拡散率は物理的に異なった量を意味するので注意が必要である。 熱拡散係数は,混合物に温度勾配がある場合に,熱拡散により濃度勾配が生じる時の大きさを規定する物理量である。 熱伝導率=熱拡散率x定圧比熱容量密度である。(なお,比熱容量x密度は単位体積当たりの熱容量で,体積熱容量と呼ぶ)

また、熱伝導率が一つの物質内での熱の伝わり易さを表す値に対し、物質間の熱の伝わり易さを表す値として熱伝達係数がある。

一般的な物質の熱伝導率

 

熱伝達係数

熱伝達係数(ねつでんたつけいすう)は、熱伝導において、壁と空気、壁と水といった2種類の物資間での熱エネルギーの伝え易さを表す値で、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度差で割って求める。大雑把にいうと、熱伝達係数の逆数を断面積で割ると熱抵抗になる。熱伝達係数は、流体の速度によっても大きく異なる。

熱流束密度J、壁温度をTw、外気温度をT0、とすると、熱伝達係数αとの関係は次のように表される(Tw>T0の場合)。

J = α・(Tw – T0)

熱伝達係数のSI単位は \rm{W/(m^2 \cdot K)} である。

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